〈Klockworks〉の設立者としても知られているBen Klockは、2005年からBerghainのレジデントを務めているベルリンテクノの最前線に立つ存在である。多様なトラックセレクションで空間を作り上げるパワフルかつ芸術性のあるプレイスタイルは、巨大フェスティバルからアットホームな小箱でも順応する。マラソンセットで有名なBenだが、比較的短時間のセットでも、明確なストーリーを打ち出すことができる実力の持ち主だ。
近年はツアーに活動の重点を置いているが、初期の頃から制作でも才能を発揮し続けている。Marcel Dettmannとの初のコラボレーション作品として2009年に〈Ostgut Ton〉からリリースされた「Dawning」は、まだ立ち上げから間もなかった同レーベルに大いに貢献し、名門レーベルに数え上げられるようになった今でも代表作に位置付けられている。その他にも特筆すべき作品は、同2009年にリリースされた「One」、「Before One EP」の「Subzero」、2010年の「Compression Session EP」と、枚挙にいとまがない。
2012年には「Fabric 66」コンピレーションをリリースし、2015年にBBC Radio 1の「Essential Mix of the Year賞」を受賞している。