Burden Bros.ことLawrence、Lenny、Lynellの3人兄弟は、幼少の頃からあらゆる楽器を嗜む、いわゆる音楽一家であった。80年代、デトロイトWDRQ-FMでプレイしていた伝説のDJ「The Wizard (Jeff Mills)」の影響から、クラブでの仕事を始め、「Music Institute」にてデトロイトテクノの黎明を体験。89年にレーベル430Westを設立し、Octave One名義「I Believe」を発表。Derrick MayのTransmatからもリミックス盤がリリースされ、デビュートラックにして世界的ヒットを記録し、デトロイトテクノ第二世代の一角を担う地位を確立。デビューからの10年間を総括する2枚のベスト盤的アルバム「The Collective」「The Living Key」も発表されている。また彼らの21世紀の方向性を決定づける1曲「Black Water」を00年にリリース。2004年にOctave One名義「The Theory Of Everything」を発表。Ann Saundersonを再度迎えた「BlackWater」の延長線上の如き楽曲から、ダークラップトラック、ダウンテンポ、さらには12編成のオーケストラであるUrban Soul Orchestraを迎えて編集し直した「Black Water-String Mix」まで、初のオリジナルフルアルバムに相応しい内容となった。翌2005年にはRandom Noise Generation名義での初のオリジナルフルアルバム「Reign」を発表し、彼らが語るところの音楽と魂の調和がとれているOctave One、そのウラ側にあるカオスを解放しているのがランダムノイズ。Octave Oneをテクノから出発した現在進行形のソウルミュージックとするなら、R.N.G.はマシンソウルミュージック。カオスの解放に伴うマシンの偶然性の美学が完成した。2006年には初のDVD作品「Off The Grid」をTRESORから発表し、その後2009年「Summers on Jupiter」、2012年「REVISITED:HERE, THERE, AND BEYOND」と好調にアルバムをリリースし続けている。2012年にリリースされたシングル「NEW LIFE」の世界的大ヒットによってまた更なるオーディエンスを獲得した彼等が奏でる究極のデトロイトサウンドは必見だ。