80年代のカリフォルニアに彗星のように現れたプロスケートボーダー/ペイントアーティスト、Mark Gonzales。その比肩なきテクニックと自由なストリートスピリットが多くの若者たちの憧憬と賞賛を集め、スケートボード界のレジェンドとして語り継がれている。スケートボーダーとしての類稀な才能が創出する表現の磁場で生み出されてきた彼のアートワークは、剃刀の刃のようなウィットと深い洞察力に満たされ、カリスマティックで魅惑に富んだ彼の精神性そのものを象徴している。
ペインターの素養を存分に伝える痛快なペンタッチと、ユーモラスな中に独自の世界観があふれだすかのような構図、ときに加えられるポエトリーなメッセージは、アーティスト/詩人としての評価にとどまらず、ファッション界やさまざまなメディアを惹き付け、国境を越えて数多くのファンを魅了してきた。
トーキョーシルクスクリーン展とは、その彼の代表作を、和紙というメディアにシルクスクリーンした限定のアートワークを展示した画期的なもの。
生き様そのものがアートと言うべき彼のエッセンスが、新たな素材と技法を得て、これまでとはまたひと味ちがう魅力的なインスタレ-ションとして再現される。