Objekt

(PAN | Hessle Audio | UK)

近年多くのアーティストがジャンルに捕らわれないスタイルを打ち出しているが、Objektほど独創的にそのスタイルを確立しているアーティストはいないであろう。
2011年に自身初となるリリース「Objekt #1」を発表し、大胆なサウンドデザインと細部にまでこだわったアレンジが、現在まで多様なダンスフロアでプレイされ続けている。また、DopplereffektとのスプリットEP「Ganzfeld」はResident Advisorにおける2014年のベスト1トラックとして選出されている。

そして同様の厳密さと想像力をアルバム制作にも活かしており、デビューアルバム「Flatland」では彼自身が強く影響を受けた、IDM、エレクトロ、テクノ、インダストリアル、そしてアンビエントをあらゆる角度から体感できるよう制作されている。また、2018年に発表されたセカンドアルバム「Cocoon Crush」ではより個人的なテーマを打ち出し、自身の感じるASMR [Autonomous (自律性)、Sensory (感覚)、Meridian (絶頂)、Response (反応)] に触発されたサウンドパレットを展開する。

プロダクション制作と並行して、時代を象徴、そして代表するDJの1人としてポジションを確立している。テクノを中心としながらも、彼の現場でのプレイはエレクトロ、ハウス、アシッド、ベースミュージック、ダブ、分類不可能なクラブミュージックなど幅広いテンポのスペクトルを含む、より広い軌道をトレースし、独自の世界観を構築していく。これらの彼特有とも言える音楽への美徳は、音楽ソフトウェア会社Native Instrumentsで楽器開発者として働いていた彼の長年にわたって磨かれた技術者の考え方と共に、巧妙で高度に技術的なミキシングスタイルによって表現可能となるのである。

TresorのミックスCDリリース時、Resident Advisorによって“a window into the very essence of DJing”と評されている卓越したスキルは、現場で直接体感することを強く推奨する。