DJとしてのキャリアをスタートさせてから今年で48年のDanny Krivit。1979年にRoxyのオープニングDJを4年間務め、その後Studio 54、The Choice、The Loft、Shelter、Sound Factory Barといったその時代を象徴するクラブで活躍してきたが、96年から始まったパーティBody & SOULによってその名はNYを飛び越え世界中に広まった。それまでもMr.K名義で秀逸なリエディット作品を残してきた彼だが、Derrick Mayのカヴァーに手を加えたSoul Central “Strings Of Life (Danny Krivit Re-Edit)”の爆発的ヒットで幅広い支持と知名度を獲得後、数多くのレコードやCDを発表。近年は45周年に関連するように7インチ盤(45回転)をリリースしたり、また7インチのみのDJセットをNYで披露し、大成功を収めている。
新旧こだわらず、自分が惚れ込んだ楽曲の魅力を(時にはエディットを施し)最大限に活かしフロアに届けること。その姿勢はパラダイス・ガラージやロフトといった70年代から受け継がれてきた精神でもあるが、当時のサウンドを継承しつつ現在集客的にも最も成功しているDJは、彼に他ならない。レジデントを務める718sessionsはTim Out 2011年Best Partyに選出され、NYを代表するパーティとして多くのクラウドを魅了しており、それは彼自身の音楽への情熱と探究心が衰えてないことの何よりの証拠である。
Danny KrivitはDJというアートフォームの一つの完成形であり、円熟期を迎えたいまだからこそ、あらためて彼のプレイをじっくりと堪能してもらいたい。