エレクトロニック・ミュージックシーンにおいて間違いなく代表的存在のひとりである、DJ/プロデューサー/レーベルオーナー、Carl Craig。グラミー賞ノミネートの経験を持ちクリエイティブな視点を兼ね備えた、デトロイトを代表する世界的アーティストである。
1989年にファーストトラックをリリース後、最初のコラボメイトであるDerrick Mayのレーベルから2つのシングルをリリース。輝かしいリリースを積み重ねたのち、1991年自身のレーベル〈Planet E〉を立ち上げ、同時に別名義の69でEP「4 Jazz Funk Classics」をリリース。レーベルは2011年には20周年を迎え、属するアーティストやコラボレーター達と世界ツアーを周り、レーベルの歴史を祝った。
Craigのワイルドで多彩なリリースは、現エレクトロニック・ミュージックシーンにおいて主役級に活躍するCaribouやUnderworld、Hot Chip、LCD Soundsystemといったアーティスト達にも大きな影響を与えている。更にはVon Oswald、Tristanoとトリオを組んでいる他、Ricardo VillalobosによるエレクトロニックミュージックのコレクティブNarod NikiにLuciano、Richie Hawtin、Zip等のメンバーと共に参加。キーボーディストであるMike Banks、Amp Fiddle、Francesco Tristanoとも共演している。
この多様なスタイルを武器に、Craigはまさにノンストップで世界中の名門クラブでプレイ。2012年Rolling Stoneの最も影響力のあるDJの1人に選出され、さらに同年mixmagで表紙を飾った。2015年、Resident AdvisorのDJランキングトップ100に選出された。他にもUnsound FestivalにてAndy Warholの映画にサウンドトラックを付けるライヴパフォーマンスなど様々な活動をしている。
デトロイトのシーンや馴染みのあるクラブをフィーチャーした〈Detroit Love〉を始め、自身主催の音楽フェスティバルDetroit Electronic Music Festival (DEMF) をスタートさせたり、パリにて開催されたコンサートでクラシックオーケストラLes Siècles Orchestraとコラボレーションし、自身のテクノトラックをオーケストラ形式で披露するなどシーンにおける存在感はかなり大きい。
Derrick MayやMoodymanなどと共にこのシーンを牽引し、これからも重要な存在であり続けるアーティストである。