DJ/トラックメイカーとして既に20年以上のキャリアを持ち、現在もシーンの最前線に立ち続ける、日本のテクノを代表するアーティスト。強靭なグルーヴをベースに、サウンドとフロアが呼応し合いながら展開する独特のDJスタイルは、未だ類稀な存在感を放っている。
フロアに直結したシンプルなグルーヴを好む姿勢は依然変わらないものの、ここ数年の田中フミヤの作品や選曲は、かつてKarafuto、Individual Orchestraといった名義で行ってきた実験的な音楽やハウスグルーヴへの取り組みが昇華、反映され、更なる音楽性の広がりを見せている。多彩なエレメントが組み合わさりながらも無駄のないシェイプを保つ、相反する要素が同居したサウンドは、開拓者として新たな可能性を求める姿勢が色濃く表れたものだ。
2010年からベルリンへと拠点を移し、ヨーロッパを中心に世界各国のパーティ、フェスにて活躍。その一方、自らが15年以上にわたってオーガナイズするパーティCHAOSをメインに、定期的に帰郷しギグを行っている。
近年はレーベル〈Sundance〉を自らの制作活動の中心軸としつつ、RADIQこと半野喜弘とともに運営していた〈op.disc〉でも、半野とのユニットDartriixでのリリースや日本人アーティストのピックアップを継続してきた。
2016年、CHAOSでも幾度となく共演しているZipによる名門レーベル〈Perlon〉から4thアルバム「You Find The Key」をリリース。また、Thomas Melchior a.k.a Melchior ProductionsとユニットTofu Productionsを結成し、楽曲/リミックスを発表するなど、以前にも増して精力的に活動中。