ダンスミュージック業界は時に強いヴィジョンという形の才能をもったアーティストを授かる。基準とされるものを含みつつも型破りで着実に新しい挑戦をしていくヴィジョンだ。業界の中でも特に、Still Youngはこのヴィジョンそのものである。ダンスミュージックのルーツに触れながら生まれ育った彼らは、1人のアーティストのサポートを得た。業界の大物、Steve Angelloだ。
Still Youngはその才能から数百万人もの人の耳に自身の音楽を届けており、Steve Angello、Kryder、Tom Staar、Michael Brun、Simon De Jano & MadwillといったEDMの大物ともコラボしている。
フェスでよく使われるようになった「Midnight」のリリースからキャリアをスタートさせ、その後は2014年にグラミー賞を受賞したGalantisの「You」とClean Banditの「Extraordinary」のリミックスを手掛けた。
コラボはKryderとTom Staarとのものから始まった。ヴォーカリストのDuane Hardenを起用した「Feels Like Summer」と「Wide Awake」は〈Spinnin’ Records〉からリリースされるや否や世界中からのサポートを受けた。その後、ロック調に仕上げたMichael Brunとのコラボ・シングル「Check This Out」をリリースし、Loletta Hollowayの「Love Sensation」をSimon De Jano & Madwillと共にリメイクもした。リリースした曲はたちまちヒットし、急速にファンが増えたことで更に大きなプロジェクトに取り組むことができた。
5曲収録したEP「Finally」をリリースし、メンターであるSteve Angelloとコラボしたヴォーカルなしの曲「Follow Me」の作曲もした。この曲のヴォーカルヴァージョンが〈Size〉からリリースされるのをファンは心待ちにしている。
Still Youngは今では〈Size〉の中でもファンお気に入りのアーティストになった。Bob Marleyのリメイクをした最新のシングル「White Label ? Is This Love」はSpotifyで400万回以上ストリーミングされているにもかかわらず、彼らが天狗になることはない。謙虚な姿勢を忘れてはいない2人だが、“音楽にすべてを語らせる”というヴィジョンをつかむことができているとは感じている。
Still Youngが謎に包まれているのには意味がある。個性的な髪型や仮面を利用することなく、まず音楽を聴いてもらい、質の高いダンスミュージックに対するリスナーの見方を変えることに重きを置いているのだ。Still Youngはお客さんの反応を大事にしており、シーンのムーブメントに魅了され、ダンスミュージックに興味を持つ人を増やすことに力を注いでいる。
熱心にスタジオで仕事をするカナダ人デュオStill Youngは今後もヒット曲をたくさん生むだろう。Steve Angelloに聞いてみればわかる。彼にもヴィジョンが聴こえているから。