Satoshi Tomiie

(Abstract Architecture)

東京生まれ。クラシックピアノ教育を受けジャズに興味が湧く。学生期にバンド活動を経てDJを始め、クラブミュージックの制作手法へと辿り着き、’88年頃に制作したデモで世界への扉を開く。それがフランキー・ナックルズに渡した「Tears」(’89) だ。このワールドワイドヒットを期にNYに拠点を移し、Def Mix Productionsに加入。ハウスミュージックがミュージックシーンを席巻する’90年代におびただしい量の仕事をこなし、坂本龍一「Heartbeat」(’91) プロデュース&同ツアーへの参加、LOOP 7、Black Shells、Mes、盟友・木村コウとのLevel 9など複数の名義を操り自身の作品を発表。
’99年にはアルバム「FULL LICK」をリリースし、’00年にはHector Romeroをパートナーに〈Saw.Recordings〉を立ち上げ、ソロ作/コラボ作を含めたトミイエの作品リリース拠点としても機能してきた。
新たにコラボを含めた自身の作品の発表のために立ち上げた〈Abstract Architecture〉から、アーティストアルバム「New Day」(’15) をリリース。引き続き限定レコード盤オンリーという形でリリースされてきた作品にRon Trent、DJ Sneak、Maayan Nidam、Fred P、Cab Drivers、Brawther、Pablo Mateo、Hugo LX等によるリミックスを収録した「Abstract Nature」(’17) をリリース。
さらに制作のアクセルを踏み込み、エレクトリックジャズやエクスペリメンタル・ノイズミュージックを取り入れた最新プロジェクトA_Aの同名アルバム「A_A」(’18) をリリース。完全ハードウェアのジャムセッションによるライヴ一発録音とい う制作手法で今後のリリースもすでにスケジュールされている。
〈Yoyakuza〉〈YOY〉〈Kaoz Theory〉〈No.19〉〈Holic〉〈MFR〉〈Deeply Rooted〉などのレーベルからもアルバム制作と並行しながらソロ/コラボ作品を次々とリリース。

30年のDJキャリアを持つトミイエは現在も、DC10やRexなどの欧州、北米~中南米/アジアと世界を駆け巡っている。新たな試みとして、モジュラーシンセ/ドラムマシーン/サンプラーなどハードウェア機材のみのライヴセットや、ターンテーブルやミキサーなど伝統的なDJツールを組み合わせたハイブリッドDJセットを始めるなど、トミイエのパフォーマンスや制作手法は常に進化を続けている。