Krystal Klear

(Cold Tonic | Running Back | Ireland)

Dec Lennonがフォーカスを合わせれば何かしらの答えが導かれる。洗練されたスタジオサイエンティストでありツアーDJでもある彼は、優れた音感と鋭い嗅覚を駆使して、プロデュースと現場でのプレイ双方に才能を発揮している。ディスコサウンド/ハウス/テクノをバランス良く配合し、シンプルなプロセスを通じてオーディエンスを確実に高みへと引き上げる。
「Tried For Your Love」や「We’re Wrong」など初期作品でリスナーの心を掴んだ彼は、すぐさま世界を舞台に活躍し、Hoya:HoyaやFabric、Warehouse Projectといった人気パーティ/クラブでのレジデントを務めるなど確固たる地位を築く。世界各地のクラブやフェスティバル/アンダーグラウンドなパーティにまでわたり聴衆を魅了し、彼がヘッドラインされたイベントのチケットはすぐにソールドアウトになるほど凄まじい人気を見せる。
長年積み上げたキャリアとそれに伴って磨き上げた技術を集約させたアルバム「The Division」では、爆発的なサウンドを示した。それはシンセポップの歴史をなぞるとともに、型に囚われることなく自由な表現も併せ持つ、初期エレクトロの名盤として知られる。この斬新かつ洗練されたスタイルは、Patrick AdamsやMorgan Geist等有名プロデューサーたちに見いだされ、ニューヨークへの移住へとつながっていく。
「Neutron Dance」は世界中のフェスティバルでアンセム化し、イギリスのラジオでも幾度となく放送されるほどの人気を獲得する。Todd TerjeやGerd JansonらとはBoiler Roomでの共演を通じて親密な関係性を築き、彼らから受ける影響もまた様々なアウトプットとして彼のキャリアに華を添える。
多忙な時間を過ごす中で着実に成果を出し続け、活動20年へと向かうにつれて、その歩んだ道筋はしっかりと轍を残している。それは活動初期よりスタジオと各地のフロアでのミキシングワークにおいて積み重ねた10,000時間に及ぶ苦労の集大成と言えるだろう。今後もダンスフロアを見つめ、常に更新を続けていく。