Marcel Dettmann

(Ostgut Ton | Germany)

Marcel Dettmannは、モダンテクノ史を語る上では必要不可欠な存在のDJ/プロデューサー。
ベルリンやBerghainといったアイコニックな存在との関連性も去ることながら、エレクトロニックミュージックシーンやそれに関わるアートシーンへの存在感もまた絶大なものである。
ベルリン郊外の小さな町で生まれ育ち、Depeche ModeやThe Cureなどポスト・パンク、インダストリアルの影響を受けながらエレクトロニックミュージックへの深い情熱の火を灯すことになる。
彼のホームタウンにはレコードストアにおけるスペシャリストはおらず、様々なディストリビューターからレコードを買い付け、友人たちを自宅へ招きレコードトレードを行っていたという。
90年代の中頃、TresorやE-Werkなどのクラブへと足繁く通い、当時のシカゴやデトロイトサウンドからも強く衝撃を受けた。
セルフオーガナイズのパーティなどを続けるうちに、1999年にターニングポイントがやってくる。Berghainの前身のクラブ、OstgutのレジデントDJとなったのだ。
そしてまた、2002年にベルリンへ移住した際にHard Waxより仕事のオファーを受け、幅広い音楽知識とともにレコードを人々へと流通、拡販させていく。
それらは主宰するレーベルMDRが彼自身の音楽を発信させるプラットフォームとなり、キュレーター、プロデューサーとしてのインプリントを構築していくことへと繋がっていくのである。
また同時に名だたるミックスシリーズへの提供や、コンテンポラリーダンスやフォトグラファー、他ジャンルの音楽を含む様々なアーティストとのコラボレーション、そしてOstgut Tonからの2枚のアルバムやEPのリリースでDJ/プロデューサーとしてのマルセルデットマンの存在を広義に知らしめる大きな要因となっているだろう。
情熱を持ったDJとして、Berghainの看板として、マルセルデットマンは驚きや叙情、難解と取れる事すらもオーディエンスとシェアし、過去25年に及ぶトラックの数々を披露していく。