ベルリンのBerghain/Panorama Barの原型となったクラブOstgutでDJを行っていた経歴の持ち主Andreas Baumeckerと、イギリスのブライトンで音楽を学んだ後、ベルリンのブッキングエージェンシーに籍を置くSam Barker。ふたりの出会いは2008年にまでさかのぼる。当時、テクノやハウスに限定されない多様なコンテンツへと舵を切ったBerghainで、Autechreを招いて新たにパーティーをオーガナイズすることになったのが、同クラブでブッキングを担当していたBaumeckerと、Autechreの所属するブッキングエージェンシーに勤務していたBarkerだった。パーティーは成功を収め、Leisure Systemとしてベルリンのダンスミュージックシーンに実験精神あふれる新風を巻き起こしていく中で、ふたりは関係を深めていった。その後、楽曲のリミックス依頼を受けたBaumeckerがBarkerに相談を持ち掛けたことを契機に、ふたりの制作プロジェクトがスタート。そしてOstgut Tonのレーベル運営を担当していたNick Höppnerの提案により、初の単独作品となる「Candyfilp」を2010年に発表した。同時期から大量のハードウェアを携え、数多くのクラブ/フェスティバルへ出演。2012年には自身たちの音楽的多様性と実験性を余すことなく投入したファーストアルバム「Transsektoral」を発表した。昨年リリースされ話題を呼んだ「Turns」では、4つ打ちに限定されないビートや、巧みなシンセ処理によって豊かに起伏するアンビエンスなど、格段に飛躍した表現力が力強く披露された。既成概念にとらわれないふたりが生み出す特異なダンスミュージックは多くのファンたちを魅了し続けている。