ブリストル・サウンドとは、=Rob Smithだ。Robは、音楽を好きな人なら誰もが聞いたことがあるだろう名前の町・ブリストルに生まれ育ち、現在はブリストルの音楽の歴史に欠かせない人物となった。誰もが認める“ハート・オブ・ブリストル”。
彼は80年代初頭、レゲエバンドにギターで参加し本格的に音楽活動を始めた。ダブ・エフェクトの魅力に取り憑かれ、80年代中頃に盟友Ray Mightyと出会いSmith & Mightyとして音楽制作を開始する。ダブとヒップホップの影響を隠さず、90年代にはアシッドハウスやハードコア、ブレイクビーツといったレイヴサウンドにも触手を伸ばした。Peter D. Roseとは、More Rockersとしてダブの影響を反映させたジャングルを制作。その後もガラージ~2ステップやブレイクスなど、英国のクラブミュージックの歴史に残る様々なサウンドスタイルのほぼ全てにおいて、“クラシック”と呼べるトラックを残してきた。
現在はRSD (ロブ・スミス・ダブの略) としてダブステップを制作/プレイしているが、その奥底にはこれまでの全ての経験が太くグルーヴしている。“Dubstep saved my life”というのは彼が頻繁に口にしてきた言葉だが、全てを許容できるサウンドはダブステップの魅力であり、それこそがRob Smithの音楽なのだ。
今回の来日は、各地とも比較的小さな会場でのプレイとなる。ここ最近のダブステップがメインのプレイだけでなく、パーティごとに彼の歴史が反映された選曲となることだろう。30年以上に渡ってブリストル、そしてイギリスのダンスミュージック・シーンの先端を体現してきた、その真髄を味わうにはもってこいの機会だ。
(文責: E-JIMA /DISC SHOP ZERO)