ΛSYLは、空間を頭上から包み込むような音景と、脚元から支えるグルーヴを巧みに創り出す。プレイを通じてアプローチすべき焦点を見失うことがなく、的確かつ、実験的な試みを重ね続けながら、先導者としてデッキからダンスフロアをリードしていく。しかし、その主たるサウンドが何であるかと言い表すためには、彼が音楽探求を続ける中で受け容れてきた影響から知ると早いだろう。
2004年にNYにてDJを始めたΛSYLは、00年代後半に隆盛を極めたNYのディープハウスシーンでFred P、DJ Qu、Baazたちとの共演を通じて研鑽を積む。その一方で、徐々にテクノミュージックの陶酔的な美しさと、アブストラクトな電子音楽により深く傾倒していくと、2013年の帰国後には、自身のポリバレントなDJスタイルをより強固なものにしながら、Svreca、Aurora Halal、Objekt、Mumdance、Anthony Naples、Lena Willikensなど、実に様々なスタイル/サウンドのアーティストと共演を重ね、Fusion、Nachtdigital、ruralといった国内外の著名フェスティバルに出演。
また、90年代レイヴ、マシーンテクノ&ハウスの再興を経た、UKベース新史のハイブリッドなベクトルを提示するLSI Dreamを主宰し、Shed、Mosca、Bruce、KEMAΛなどカルトプロデューサーをいち早く日本に招聘。バウハウスのコレクティヴGieglingのレーベルショーケースを2013年より毎年開催するなど、欧米シーンを結び付けるプロモーターとしても精力的に活動を行ってきた。
2017年末より充電期間に入り、4年ぶりとなる2021年末にDJ復帰を果たした。