Daddy Kev

(LOW END THEORY | LA)

2016年9月に10thアニバーサリーを迎えたLow End Theory®の創立者でありレジデントDJにして、Alpha Pup Recordsの主宰者であるダディ・ケヴは、LAビートシーンの立役者でありながら、DJ/プロデューサーあるいはエンジニアとして今なお現地のシーンを牽引し続けるリーダー的存在の最重要人物である。Flying Lotus、Thundercar、Mr.Oizo、Kamasi Washington、あるいはRun The Jewelsといったベテランアーチストたちが絶大なる信頼を寄せ、そのプロデュース及びエンジニアリングの仕事は世に広く知られるところだが、自身が運営するAlpha Pup Recordsではフレッシュな才能の発掘に力を注ぎ、多くのエレクトロニックミュージックあるいはアンダーグラウンドヒップホップ、ビートのニューアクトを世に送り出してきた。Alpha Pup Recordsと並行させながら、近年はWorld Galaxy Recordsを立ち上げビートシーンと同様、LAがその震源地となり今やワールドワイドな広がりを見せるニュージャズ・シーンの新人の発掘、作品のリリースも精力的に行っており、約20年に及ぶプロデューサー、エンジニアとしての活動で携わった作品の数は優に300タイトルを越えるという。Kendrick Lamarを迎えたFlying Lotus”Never Catch Me”のマスタリングワークでは2016年のグラミー賞にノミネートされた実績もある。クリティカルかつレフトフィールドな音楽メディアが「LAアンダーグラウンドのゴッドファーザー」(XLR8R)あるいは「最ヴィジョナリープロデューサー」(Pitchfork)と、惜しみない賞賛の言葉を送るダディ・ケヴこそ、LAミュージックムーブメントの帝王と呼ぶに値する真の骨幹たるホンモノであり、アーティストとしては表舞台で、そしてプロデューサー、エンジニアとしては舞台裏で、LAのヒップホップカルチャーをハイブロウ・アートへと今日も昇華させ続けるのだ。