90年代後半より活動する作曲家、Krikor Kouchian。
当時、フランスで発生していた過激なレイヴシーンや、クラブカルチャーの変革に深く関係しており、ルールに囚われないスタイルで既存のシーンを拒否し続け、音の生み出す予測不能な側面をプロダクションに落とし込んでいる。パリ国立高等音楽院で2007年までアクースマティック音楽とコンピューター支援作曲を専攻した彼は、マシンサウンドを軸に、ダブやシカゴハウス、ロックサウンドのニュアンスを入れ込むサウンドを生成。鋭利で荒々しくも発展した音楽を制作している。ErrorsmithやLee Perryと共に革新的な音への追求を続け、彼の才能はパフォーマンスや即興演奏という形で、Mutek、Ars Electronica、Villette Soniqueなど世界各地の電子音楽フェスティバルで高い評価を得ている。
キャリアをスタートして以降、途切れることなくレコードを発表し続けており、NYの〈L.I.E.S. Records〉をはじめとする名門レーベルからも多くのアルバムをリリース。
アルバム制作以外にも、映画のサウンドトラック制作、振付家Damian JaletとUNDERCOVERのデザイナー髙橋盾による2020-21AWのショーFallen Manにてサーキット・ベンディングの楽曲提供など、ハイブリッドなクリエイティビティを生かした活動も行っている。また、Ableton社のプラットフォームのために無償のビジュアルデバイスの開発に協力するなど、彼の専門的能力と実験はフランスのOto Machinesや日本のKORGやヤマハといったブランドからも高く評価されており、これらは彼が今なおキャリアを構築し続けることができる要因である。