Kush Jones

ブロンクスで生まれ育ったDJ/プロデューサーKush Jonesのキャリアの根底にあるのは、サンプリングだ。
常にR&Bやソウルが流れている環境にあった彼は、両親が聴くレコードがコンテンポラリーな楽曲にも使われていることに幼い頃から興味を持つ。放課後のプログラムでパソコンを使用した音楽制作を学びはじめ、同年代の多くが一般的なヒップホップのトラック作りを進めていた中、Kushはもっと幅広いサウンドを追求する。
2000年後半にNYのダンス・サブカルチャーの一つであるLitefeetのバトルを観に行ったことがきっかけで、シカゴフットトワークやジャージー・クラブなど、アメリカ各地のダンスミュージックと出会うこととなる。
これらのジャンルが古い楽曲を新しいスタイルに変換していることに対して更に関心を持った彼は、独自のサウンドを確立し、ダンスフロアで繰り広げることを決心する。彼自身や仲間のオリジナルトラックをDJとしてプレイするようになってからは、各地のDJの注目を集めはじめ、やがてロスを拠点とするJuke Bounce Workクルーの一員になる。地元の仲間やツアー中に出会ったプロデューサーなど、友人とのコラボレーションで得る刺激がKushの原動力になっている。
ここ数年はアメリカとヨーロッパでツアーをしながら、Rinse FMThe LotHalfmoon BKなどのラジオでレジデンシーも務めている。
頻繁なトラック作りで知られるKushは、Bandcampで自主リリースしている「Strictly 4 MY CDJZ」シリーズのEPで反響を呼び、現在進行形で全40作の完成を目指している。最近ではハウスミュージックへの愛を形にした12インチのヴァイナルをワシントンDCのレーベル〈Future Times〉からリリースしたり、NYの新レーベル〈HAUS of ALTR〉からEPをリリースするなど、様々な制作に専念している。どんなテンポであれ、持ち前のセンスとダンスミュージックの歴史に対するリスペクトを通して、常に新鮮なサウンドを生み出し続けている。