Sarah Davachi(1987年カルガリー生まれ)はカルガリー大学哲学部卒、オークランドのミルズカレッジにて電子音楽科とメディア録音科修士了。電子音響学の作曲家としてのDavachiの楽曲は時代に置いていかれた楽器や忘れ去られた過去のアナログシンセシスのサウンドに焦点を置き、オルガン、ピアノ、弦楽器、管楽器等の現代の楽器のサウンドを加えて加工することで不慣れなものに変えて行く。彼女の作品は音響空間に覆われる体験について綿密に熟考したもので、引き伸ばされた間隔、シンプルな調和構造の倍音の複雑な変化、そして音響心理のアーティファクト等を利用する。
研究員としての課題はエクスペリメンタリズム、楽器学と文書館学、現象学にわたり、北米とヨーロッパで出版されている。2007年からカルガリーの国立音楽センター(元カントス音楽財団)にて通訳者とコンテンツデベロッパーを兼任しており、団体の所持するアコースティック楽器から電子楽器を網羅するコレクションを管理している。過去にバンフ・センター(カナダ)、STEIM(オランダ)、WORM( オランダ)、EMS(スウェーデン)、OBORO(カナダ)、MESS(オーストラリア)でレジデンシーを行い、カナダ芸術協議会、アルバータ芸術財団、SOCANの助成金授与対象者でもある。彼女は現在LAで音楽学の博士課程単位取得中。