Move Dこと David Moufangは、現代のエレクトロニックミュージックの最も愛される魂の一人で、60~70年代のジャズ、サイケデリック、ロック、ソウル、初期のエレクトロニカなど多様なサウンドをルーツに活動を続けている。1983年にスクールバンドオーディションで初めてのレコーディングを行い、その後たった4年間で、DJとしてファンク、ソウル、ヒップホップ、プロトハウスなどをプレイし、音響の機材をいじり始めた。90年代には〈Source Records〉の設立など、自身の初期のプロダクション(1994年、Move DのデビューLP 「Kunststoff」)の制作や盟友である鬼才Pete Namlookとのその後26枚のアルバムに渡るリリースへと繋がっていく関係を築いていく。
それ以来、Moufangは数え切れないほどの先進的なレーベルのプロデューサーとして、コラボレーターとして、そして真にオリジナルなセレクターとしてハウス・ミュージック界の重鎮として広く知られていくようになった。
ディスコグラフィーは圧倒されるほど膨大で、〈Source〉はもちろんその他にも、〈Modern Love〉、〈Workshop〉、〈Smallville〉、〈Warp〉、〈Running Back〉、〈Uzuri〉、〈Electric Minds〉等、様々なレーベルからもリリースされ、Magic Mountain High (w. Juju & Jordash) や Reagenz (w. Jonah Sharp) などのプロジェクトに参加している。
当然ながら、彼のライヴやDJパフォーマンスは、その才能の中にスタジオワークと同等かそれ以上の重要な位置を占める。その多様な引き出しから生み出されるダンスミュージックの数々は、ダンスフロアにいるハウスミュージックの愛好者たちの脳に直接働きかけ、体を動かさずにはいられない衝動に駆られる。それが、Move Dを無二の存在としてシーンの重鎮として存在している証であり、それは、ダンスフロアに足を踏み入れさえすれば誰しもが経験することなのである。